ケモノ男子~ある日突然もふもふだった動物たちがイケメン男子になりました!?



 学校生活は昨日とまったく変わることなく、いつも通りに授業が進んでいく。


 昨日と違うところは、見たことのないクラスメイトが増えたということくらい。


 きっとそういう子は、どこかの家の動物さんなんだ。


 すみれとゆきも、私の隣の席に座って、真剣に授業を聞いている。


 なんだか変な感じ。


 ねこだったすみれとゆきとこんなふうに授業を受けるなんて。


 陽毬ちゃんに話したらきっと、「なにそれー!詳しく聞かせてっ」なんて言って、きっと目をきらきらさせるんだろうなぁ。


 そんなことを考えて、あ、と思い出す。


 私、まだ陽毬ちゃんから貰った手紙に返事をしていないんだった。


 陽毬ちゃんはいつも、自分の書いている小説のこととか、好きな本とか、行った場所とか。


 そんな何気ないことを、すっごく楽しそうに陽毬ちゃんらしい言葉で綴ってくれる。


 けれど私は、陽毬ちゃんみたいに毎日は輝いていなくて………。


 がんばっている陽毬ちゃんを見ていると、がんばれていない自分が恥ずかしくなるんだ……。



「桃花?」


 すみれに声をかけられて、私はぱっと顔を上げる。


「どうした?平気か?」


「あ、うん。大丈夫だよ」


「なにかあったら俺に言えよ」


「うん、ありがとう…」


 私は情けない自分を振り払うように頭を振って、先生の話に意識を戻した。