明日香はイライラしたような顔になった。
『なんでもないってばっ!
そんなに気になるの?
麗には関係ない話だよ!』
そんなにきつく言わなくてもいいじゃん…
『でも…』
『明日香の言うとおりだよ!
どうでもいい話!!』
はっ?
真莉絵までそんなこと言うの?
どうでもいい話?
それが何か聞いてるんじゃん!
どうでもいい話だったら教えてよ!
『別にもういいよ…』
『明希さ、祐志に告ろうて思うの。
でも、きっと祐志は麗が好きなの!!』
そうだったんだ…
『なんで麗だと思うの?』
それに、なんでそれを黙ってたの?
『麗と祐志、いつも一緒にいるじゃん。
休み時間とか…』
休み時間?
『確かに最近一緒にいるけど、宿題とかを見せてるだけで…
それに麗は祐志好きじゃないし。
だから大丈夫!』
………麗、変な事言っちゃったかな?
『はっ…?
大丈夫って何が?
だから麗には言えなかったの!!!
祐志好きじゃないしとか…
自分がモテてると思ってるからそう思えるんでしょ?
麗には関係ない話だと思ってるんでしょ?
でも、明希は本当に悔しかったの!
もぅ…』
明希ちゃん…
『ごめんねっ…
でも……
麗は…』
本当に好きじゃないし、もう恋愛を…しない…?
別にしてもいいんじゃないの?
『祐志のこと、少し好きなんじゃないの?』
えっ…
真知夏に言われて初めて考えた。
麗は…祐志を好きなの?
違う!!
絶対違う!!
すると小学校の記憶がかすかにうかんできた。
麗は、圭斗が好きだった。
それに彩華も…
彩華が圭斗を好きだったの!?
ああ……
だんだん思い出してきた…
すると
『ギャァァァァ~~!!』
と聞いたことのない叫び声が聞こえた。
いそいで声がした中庭へ向かった。
さっきの叫び声は菅野 遥だった。
『はっ…遥どうしたの??』
なにも知らない麗たちは遥の指さす方を見た。
それは、④Fの屋上に立っていた優南だった。
自殺??
でも、この高さ、しかも中庭の木があって、落ちたら打撲、最悪骨折するところだった。
すると、下を見ていた優南の後ろから先生が止めにはいった。
その声は麗達にも聞こえた。
『キャッ』
『やめてよぉ~~』
麗はこの声を聞いて優南をいじめていた事がゆっくりスライドされた。
《うざい》《死ねば?》《まだ学校きてたんだ》《あんただぁれ??》
こんなに優南をおいこんでたんだ…
麗は全然気づかなかった。
気づいてたとしても、気づかないふりをしていた。
ごめん…ゴメン…
ゴメンね優南。
『ひどいよね麗。』
はっ???
明日香の声だった。
明日香…………?
なにも言えなかった。
もし、聞き直したら…
麗の予想どおりの答だったら…
聞かなかったことにしよっ…
『…………明日香教室戻ろっ』
屋上を見ながら言った。
『……………』
あれっ?
聞こえなかったのかな?
『ねっ…』
もしかして…シカト!?
いきなり!?
『麗、行こう…』
はぁ…よかった。
明日香が返事してくれて。
なんで麗は明日香にこんな気つかってるの?
自分がムカつく……
教室に戻ると明日香達は隣の教室へ向かった。
『まってよぉ明日香!!』
明日香…
なんか様子が変だよ…
『あっ!夕芽っち!!』
明日香が喋りかけたのはげっ
麗の嫌いなタイプの夕芽…
夕芽はなんか気が強くって苦手…
夕芽と明日香と真莉絵の世界入っちゃってるし…
そこへ明希ちゃんと真知夏も来た。
『何話してるの??
えっ?ジャニーズ!?
○○くんかっこいいよね!』
麗はジャニーズなんて全く興味ないから話についてけないし、なんかポツンと残されちゃったみたい。ハハハ…
でもね、頑張らなきゃ!
『れ、麗も…○○くん好き!!
明日香は?』
『ハハハハハ!
わかるぅ、昨日のテレビの△○くんうけたぁ!』
麗の声は聞こえたのか聞こえないか分からないけど誰も返事をしてくれなかった。
しかも△○って誰だよぉ…
全くついてけないよ…
ああぁめんどくさい!!
すると優南がこっちに来た。
麗は思わず
『ゆ…う…な…』
と名前だけを呼んだ。
『えっ!?優ちゃん!?大丈夫だった?』
『優南ごめんね…』
『優南大丈夫?』
『優南…』
みんなそれぞれ優南に謝りや、心配をしてくれている…
麗は悪者ですかっ?
ああぁ…もういいよ。
あんたらも優南を麗と一緒にいじめてたでょ?
最低。
自分が都合の悪い立場になると都合の良い方にいく…
人間って…意味分かんない!!
うっざっ
イライラしながら麗だけ自教室に戻った。
授業中………あのぉ前の男子うざいんですけど…
イライラがますますつのった。
『ハハハハハ(笑)』
ねぇ…なんで笑っているの?
もしかして麗のこと?
ねぇ…やめてよ…
『うざいよな?』
誰か男子が言った。
誰の事を言ってるの?
本当に麗の事を言ってたの?
ねぇ…
誰か教えてよ…
先生注意しないの?
男子うるさいよ……
麗はたえられなかった。
『ねぇ…』
誰も聞いてない……
ただ麗の声が小さいだけだけど、誰かきづいて…
『………さぃ………』
『あっ?』
そう言ってきづいてくれたのは…
『えっ…祐志!?』
って…
聞いてほしかったんだけどさっ…
なんとなく恥ずかしい(汗)