2度目の初恋はセレナーデのように



 〇大学の入口
 キャンパスを見上げて緊張(きんちょう)ぎみな歌音(かのん)


 周りを続々と受験生が通り抜けていく。



 歌音(何度も通ったはずなのに、今日はやたらと緊張する……)


 見上げた大学はいつもより大きく見えて、歌音はお守りを取り出した。


 見つけ出したイヤリングも小さな袋にいれてポケットにしまってある。


 その二つを確認すると歌音は一つ大きな息を吐いた。



 歌音(大丈夫よ)



 陽暁は胸の前で拳を握りしめ、一歩踏み出す。

 歌音の目には強い意志が宿っていた。



 (入試の様子をダイジェスト)


 ・筆記試験でペンを走らせるところ

 ・廊下で順番を待っているところ

 ・面接官と向かい合い、質疑応答をしているところ


 (ダイジェスト終了)



 そして作曲課題及び課題演奏の時間がやってきた。