2度目の初恋はセレナーデのように


 (前回のあらすじ)

 誕生日会の終わりがけ。

 突然手を取られて連れ出された歌音(かのん)


 やってきたのは――。


 (あらすじ終了)


 〇紅葉(こうよう)スポットの城下町
 休日ということもあって祭りのような賑わいを見せている街並み。

 歌音は目を輝かせて感嘆(かんたん)の声を上げた。


 歌音「すごい! きれいだね! あっ、着物の人もいる! いいなー!」
 陽暁(はるあき)「ふふ、そう言うと思って予約してあるんだ」

 歌音「え!?」
 陽暁「ほら、こっち」


 陽暁は歌音の手を引いて進んでいく。


 歌音(予約って……そ、そう言えばさっきもデートって言っていたし……)

 歌音(ママたちもなんでか知っているみたいだったけど、もしかして前から計画練っていたのかな?)




 『誕生日にまた告白する』


 ふとそう言われたことを思い出し、思わず赤面。


 歌音(そう言えば誕生日って……今日じゃん!? ってことは……)

 歌音(デ、デートの後に……!?)


 どうしても意識してしまう歌音。

 引かれている手も気になってしょうがない。


 陽暁「……ふふ。緊張しているの?」
 歌音「!」


 陽暁がおかしそうに振り返った。


 陽暁「でもその前に誕生日を目一杯楽しんでほしいからね。さ、行っておいで」


 気が付くと着物のレンタルショップの前に。

 店員と話すのを見ているとすぐに奥へ案内されていく。