(歌音のモノローグ)
今まで見てきた陽くんとは違う一面を見た。
私を翻弄したイジワルな一面も
私に向ける熱い視線も
愛しいものに触れるような優しい指先も
何もかも知らないことばかりだった。
そんな中でも一番驚いたのは――私への大きな想い。
陽くんは私のことをずっと好きだったと、愛していると告げてきた。
勝手に失恋したと思っていたあの事件は私の勘違いで、ずっと私のことしか見てこなかったと。
私だってずっと好きだった。
つまり、両片思いだったってことで。
正直、未だに信じられない。
……こんなに幸せなことがあっていいのだろうか?
(モノローグ終了)



