四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 私と伊春君の立候補で委員会と係が無事確定した事で、予定されていた時間よりも早く帰れる事になった。

 明日は入学式だから先生たちの準備もあるらしく、いつもよりも結構早い時間の帰宅につい違和感を覚えてしまう。

「伊春君、ちょっと話さなきゃな事があるんだけど……」

「はい、どうされましたか?」

 そんな気持ちの中、去年よりも柔らかくなったスクールバッグに荷物を入れた私は目の前の彼に声をかけた。

 でもその後に、今の状況に気付いたんだ。

「B組に来たイケメンってあの人? やば〜、瀬ノ海君もかっこいいけどイケメンすぎない?」

「うちのクラスは氷上君が来たんだけど、違う系統のイケメンでやばいしか言えないっ!」

「萩生君と似た雰囲気っぽいけど、桜賀君はカッチリ!ってイメージかも。どっちもイケメンすぎるのに変わりはないんだけど!」

 や、やっぱりこうなるよねっ……!

 クラスメイトが別のクラスに瀬ノ海君たちを見に行ってるみたいに、別のクラスの子も伊春君を見に来た様子。

 転校生と言われれば誰だって気になるし、イケメンならより気になってしまうんだろう。私も伊春君たちと事前に出会ってなかったら、天毬と一緒にキャーキャー言ってた気がする。