四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

「いってきまーす!」

「いってらっしゃい、気をつけて行くのよ〜。」

 春休みも終わって今日から新学期という朝、玄関まで送り出してくれたお母さんの声を聞きながら家を出る。

 外に出た瞬間、四日前の猛暑からは想像つかないほどの春を全身で感じて、気持ちまで明るくなった。

 ここからでも見える桜の木から舞い散る花弁が見惚れるほど綺麗だし、やっぱり春はこうでなきゃだよね。あの猛暑はできればもう来ないでほしい……。

 これから夏が来るから嫌でも猛暑を体験する事になるんだから、今からこう考えてもダメなんだろうけど。

 新学期に相応しい青空を遠く見上げながら、ぽかぽかな空気を纏って歩く。

 ……でも確か、伊春君たちも私と同じ学校通うって言ってたっけ。

 この前の猛暑をもう懐かしんでいると、みんなの家にお呼ばれして色々説明してもらった後の事を不意に思い出した。

『そういや陽依っち、俺らも陽依っちと同じ学校に通う事になってるから学校でもよろしくなっ! しかも同じ学年らしいし、仲良くしてくれよ〜?』

『えっ!? みんな人間じゃないのに通えるの……!?』