四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 二人が住んでいるというマンションに入った途端、私は言葉を失った。

 マンションとは思えない広い玄関に圧倒的な部屋数、ホテルよりも大きいリビングはほぼガラス張り。

 これを見て冷静でいられるはずもなく、早くも萎縮してしまう。

「主様、お好きなところにお座りください。今お飲み物をお持ちします。」

「い、いやそんな気を遣わなくてもっ……」

「そういうわけにはいきません。すぐお持ちしますので、少々お待ちください。」

 軽い会釈をしてキッチンのほうに向かった彼の背中を見つめ、人知れず溜め息が零れる。

 もてなされるような人間でもないのに……彼らと話せば話すほど疑問が深まっていく。

『トーチシャ、ミツケタ! ミツケタ!』

 あの化け物の事も聞かなきゃだし、考える事が思ったより多そう。

 既にパンクしかけてるのに、これ以上の情報が増えるのはごめんだなぁ……。

 なんて思ってしまいもう一度深い溜め息を吐くと、真横から陽気な声が飛んできた。

「主、そんなしけた顔してると可愛い顔が台無しだぜぇ?」