四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 何もしなくとも汗が額から流れ落ちるほどの猛暑の中、目の前に佇む彼はゆっくり振り返り白手袋を身に着けている手を差し出してきた。

「主様、もうご安心ください。あの忌々しい存在はたった今排除いたしましたので。」

「……あるじ、さま?」

「あぁすみません、主様……いえ、あなた様からしたら何の事かさっぱりですよね。ですが、まずはお立ちになられてください。そのままではお手を火傷されてしまいます。」

「あ……ありがとう、ございます……?」

 その手に掴まり、とりあえずその場から立ち上がる。

 火傷してないみたいだけど、ずっと熱々の鉄板みたいなアスファルトに触れてたからまだヒリヒリするな……。

 自分の手を見つめながらそう思っていると、不意に彼が私の両手を取った。

「……申し訳ありません、私がすぐ来なかったばかりに。今治療させていただきます。」

 治療……?と首を傾げる暇も与えられず、空に溶けそうなホリゾンブルーの瞳の彼がきゅっと目を瞑る。

 瞬間、周りにぽわぽわしたオーブみたいなのが現れて私の手を包み込んだ。