四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 今、私の心臓は悪い方向でドキドキしている。

 その理由は明白で、あと数十歩進めば私たちがお化け屋敷に入る番になってしまうから。

 人並みに恐怖耐性はあると思っていてもお化けは何歳になっても好きになれなくて、胸元を押さえずとも心臓が暴れているのが嫌なほど分かる。

「主様、さっきからお静かですか大丈夫ですか?」

「っ、う、うん……大丈夫だよ!」

「それならいいのですが、てっきりお化け屋敷に怖がっているのかと思いまして。今ならまだ別のアトラクションに変える事もできますが……どうでしょうか。」

「で、でも秋君がお化け屋敷に行こうって言ったから……ちゃ、ちゃんと入るよ。」

「……おや、俺そんな事言いましたっけ。」

 へっ……!?

 私のぎこちない返答に、うーんと考え込むように手を顎に当てた秋君。

 ま、まさか私、秋君にはめられたっ……?

 そう気付いた時には時すでに遅しで、焦る私に秋君は何か裏がありそうな笑みを見せると。

「さ、主様行きましょうか。」

「しゅ、秋君ちょっと待って……っ!」