1ヶ月後――



「退院おめでとう!」



朝子が小さな花束を渡す。



「ありがとう、朝子ちゃん。」



「でもホント、咲子って悪運強いよね〜!あんな派手に事故っといて重傷で済むんだから…。」



「へへ…。」



「ねぇ、退院祝いセッティングしてるからさ、1回 家 帰ったら迎えに行くわ!」



「え〜?いいのに…。」



荷物をまとめながら咲子は言う。



「あんたの旦那がセッティングしたんだよ?行かない訳にはいかないっしょ!」



「隆史くんが…?」



「そうだよ。沙良も来るし。」



「…分かった。
じゃあ家で待ってればいいの?」



「うん!」



「咲子〜用意出来た?
お父さん迎えに来てくれたわよ。」



母親が呼ぶ。



それに元気よく答え、朝子と別れた。