ただし、それには条件があった。


自分の命日に必ず死ぬこと。


そして、死ぬ運命にある者を助けてはならないこと。


つまり、鶴田や亀井、キヨ、桜井先生が死ぬことを、俺は知っていた。


だけど掟には逆らえない。


また、運命が狂ってしまう。


何より、咲子を救えなくなる。


だから、俺は心を鬼にした。


心を鬼にして、死んでいく人間に手を差し伸べなかった。


それがどんなに辛かったかか、咲子なら分かってくれるかな。



…なぁ、咲子。


俺は死ぬ。


今日の4時ぴったりに。


本当は、皆を殺した犯人も、俺は最初から知ってた。


俺が死んでから、咲子が犯人を捕まえてくれるか?


鶴田や亀井を殺したのも、本当は俺らじゃない。


突き落とした過去は事実だけど、殺そうとしてやった訳じゃない。


過去は乗り越えるもんだろう?


お前が犯人を捕まえて、過去を乗り越えるんだ。


俺が好きになった咲子なら、出来るよな?


犯人は――…