咲子へ
お前、本当に13日の金曜日、午後3時に読んでるだろうな?
信じるぞ?
え〜っと…本題な。
俺さ、実は2回目なんだ。
この人生送るの。
いきなりこんなこと言っても信じらんねぇだろうけど。
本当なんだ。
1回目は、決まってた運命を変えてしまった。
俺が死ぬ運命だったのに、俺は死なずに咲子が死んだ。
亀地を助ける為に、お前は死んだ。
そんなお前を、俺は助けなくちゃいけなかったのに。
俺は一歩も動けなかった。
怖くて。
茫然とするばかりで。
俺は、運命に背いて生き長らえてしまった。
代わりに、死ぬはずのない咲子を失ってしまった。
咲子が死ねば、咲子から生まれる子どもやその孫全てが、未来から消えた。
そんな未来に、神は困った。
そして、俺はもう一度だけやり直すことを許された。