「亀地はよ〜っす。」



隆史が自分の席に着きながら言うと、沙良はゆっくりと振り向いた。



「…おはよ。」



瞳に涙をいっぱい溜めて、沙良は微笑んだ。



「も〜 隆史はっ!
今 何時だと思ってんの?」



朝子が沙良の元へ駆け寄る。



「…12時31分。」



「訊いてないっ!」



「いや、訊いただろ!」



ギャーギャー言い合う2人の間をぬって、咲子と沙良は顔を見合わせて笑った。



「何 笑ってんだよ〜。」



隆史がムスッと膨れながら咲子の隣に座る。



「…覚えてる?手紙。」



咲子にこっそり耳打ちをする。



咲子は気付かれないように浅くカクッと頷いた。



それを見た隆史は優しく微笑んだ後、明るく言った。



「さ〜あ昼飯 食うぞ〜!」