最愛から2番目の恋

 知らせがあるまで、部屋で待機していると。
 訪れたのは、以前クイーネの先触れで来た女官だった。

 ガートルードの部屋のドレッシングルームには、喪服が2種類用意されていて、簡単なデザインの方を身に付けた彼女を見て、女官は深く一礼をした。


「先日は名乗りもせずに失礼致しました。
 本日よりガレンツァで執り行われる王妃陛下の霊廟納体まで、妃殿下のお世話を担当させていただきます、宰相クイーネが娘アレッサンドラと申します。
 父の秘書官の末席ではございますが、誠心誠意お役に勤めさせていただく所存でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます」

「わたくしこそよろしくお願いします。
 こちらは、わたくしの侍女のテレサ。
 彼女とのやり取りも多くなるでしょうから、仲良くしてあげてくださいね。
 早速だけれど、アレッサンドラ、わたくしだけではなく、テレサやメイド達にも喪服を用意して欲しいわ。
 直ぐに手配出来る?」

「……それは勿論でございます。
 皆さんのサイズを、お渡しいただけましたら、早急に手配致します。
 では、本日のこれからのご予定となりますが、今夜は夜通しの弔問となりますが、夜会からのお疲れがございましょう。
 軽くお召し上がりいただけますよう、軽食を届けさせます」

「そう……長い夜になりそうなのね。
 食べる時間が取れるのなら、お願いします」