最愛から2番目の恋

「ちなみに。
 先程の、一生お前とは閨は無い、でしたわね?
 こちらも心得よとのお言葉、確かに承りました。
 さて、これでご用件がお済みでしたら……テレサ、お見送りをして」

 すっと立ち上がったガートルードを、クラシオンが驚いた表情で見上げた。


「おい、俺はな、父上から言われる前にこうして、わざわざ来てやったんだ。
 それを何だ? 式は……」

「お金が無いから、なさらない、でしょう?
 今夜が無理なら、明日の早朝にでも、カリスレキアまで使者をお借り致します。
 来て早々に人手を貸していただくなど心苦しく、誠に申し訳ございませんが、わたくしの手の者は手弱女が6人居るだけでございますので、皆様のお手を煩わせてしまいますわね。
 では、わざわざこちらまで御足をお運びくださいまして、ありがとうございました。
 これからも何かございましたら、殿下の侍従からお伝えくださいますと助かります。
 どうぞ、今宵も、この先も。
 末長くおふたりで、仲良くお過ごしくださいませね。
 また次回お会い出来る日を心待ちにしておりますわ……最愛様も」