最愛から2番目の恋

 ガートルードは、王妃陛下の毒殺も今回の爆破も、宰相のクイーネが裏で糸を引いているのだ、と考えていた。
 動機は、4神虫獣家の1つ、アフヴァーナ家の復讐だ。
 それはとても漠然としたものだったが、主に忠実と有名なクイーネ家特有の性質から、そう考えた。

 クイーネの先祖は、実はブロディアスの乱で主家を裏切ってはいなかった。
 表向きはレオニード家に従っているように見せていた先祖代々の『秘すべき遺言書』のようなものが存在していて、黄金の蜂アフヴァーナ家に忠実なクイーネ一族は100年以上の時をかけて、復讐の機会を伺っていた……

 と、まるで物語のような推理をしていたのだ。
 しかし、そのような何世代にも渡る愛と裏切りと復讐の物語は現実味が無い。
 
やはり、これはここガレンツァに今も生きる白虎ティグルー家の末裔が起こした事件なのだろうか……それとも……