惚れさせゲーム

〇 恋人になった後の日常
紗菜と翼が恋人同士になってから、二人の関係は少しずつ変わった。
初めは照れくさい部分もあったけれど、次第にお互いの良さを素直に受け入れ、自然体で接することができるようになった。
そして、二人はますます「勝負ごと」にハマっていった。

勝負の始まり
ある日、学校帰り。
いつものように歩いていると、紗菜がにやりと笑って翼に声をかけた。

紗菜(挑戦的に)「ねぇ、翼。今日こそ、勝負しようよ。どっちが早く家に着けるか、絶対負けたくない!」

翼(冗談っぽく)「またそのパターンか。あんまり調子に乗ってると、負けた時が怖いぞ?」

紗菜(冷静に、でもやる気満々で)「大丈夫。負ける気がしないし、何より、勝ったら今日のデートのプラン、私が決めるから!」

翼(苦笑しながら)「それか!でも、負けたくないからな、絶対に負けないぞ」

スタートの合図と共に、二人は一斉に走り出す。
普段から競争心が強い紗菜は、すぐにペースを上げていった。
それに対して、翼は余裕を見せつつも、心の中では必死に紗菜を追いかけていた。

ゴールが見えてきたとき、紗菜は全力で走っていた。
その姿を見た翼も徐々に焦り始め、ペースを上げる。しかし、結局、ゴールに着いたのは紗菜だった。
彼女は息を切らしながらも、勝ち誇った顔をして翼を見た。

紗菜(ガッツポーズを決めながら)「やった!やっぱり、私の勝ちだね!デートのプラン、私が決めるよ!」

翼(息を切らしながら)「ちょっと、なんだよその自信。全力で追いかけたけど、やっぱりお前には勝てなかったか…」

紗菜(満面の笑みで)「うん、でもやっぱり負けず嫌いだから、絶対に負けたくないもんね!これで私のデートプランが決まるんだから、覚悟してよ!」

紗菜の勝ち誇った顔を見て、翼は少しだけ肩をすくめながらも、どこか楽しげに笑った。
そんな二人のやり取りには、単なる恋人同士のやり取り以上の温かさがあった。

負けず嫌いの本気モード
数日後、今度は学校の休み時間。
紗菜はお弁当を広げながら、ふと顔を上げ、翼に向かって言った。

紗菜(真剣な目で)「ねぇ、今度の体育の授業、絶対負けたくないんだ。私、あのマラソンだけは、どうしても勝ちたい!」

翼(驚きながら)「え、あの女子だけのマラソン?お前、あんなに本気になってどうしたんだ?」

紗菜(表情を引き締めて)「だって、昔からあのマラソンが嫌いだったんだ。最後まで走りきれなくて、いつも後ろから何人かに抜かれるだけだったから。でも、今年こそは勝ちたい!勝って、みんなに見返してやりたいんだ」

翼(少し戸惑いながらも)「お前がそんなに本気になるなんて、俺も驚きだよ。でも、どうしても負けたくないって思う気持ちはわかる。でも、無理して怪我したりしないようにな」

紗菜(真顔で)「わかってる。でも、絶対に負けない。今回こそは、最後まで走りきる!」

その言葉を聞いた翼は、少し驚きつつも、心から応援したい気持ちになった。
でも紗菜の負けず嫌いなところを改めて感じると同時に、少しだけ心配になる自分がいた。

勝負と素直な気持ち
マラソン当日、紗菜は自分の限界を感じつつも、必死に走っていた。
その姿を見守る翼は、後ろから追いかけようとしながらも、紗菜の走りをじっと見守っていた。

翼(心の中で)「お前、絶対に諦めないんだな……」

その時、紗菜が少し後ろを振り返った。
彼女は疲れていたけれど、目は真剣そのものだった。

紗菜(大きな声で)「絶対に最後まで走りきるから!見ててよ、翼!」

その瞬間、紗菜はさらにスピードを上げ、最後の一歩を踏み出す。
彼女の全身に力がみなぎり、ゴールが近づく。
そして、ついにゴールラインを越えると、紗菜は満足げな表情で立ち止まった。

紗菜(息を切らしながら)「やった……勝った!」

翼(駆け寄りながら)「すごい、紗菜。お前、よくやったな!」

紗菜は少しふらつきながらも、翼を見てにっこりと笑った。

紗菜(照れくさく)「いや、だって、負けたくなかったし。これでちょっとは自分を認めてあげられそうだよ」

翼(優しく微笑んで)「お前、すごいよ。本当に、負けず嫌いなんだな」

紗菜(ちょっと照れくさく)「だって、負けたくないんだもん。あんたが言うから、頑張れたんだよ」

翼はその言葉に嬉しそうに微笑んで、紗菜を抱きしめた。

恋人としての勝負
紗菜の負けず嫌いなところは、日常の中でもちょっとした勝負に反映されていた。
どんな小さなことでも、彼女は全力で挑み、決して手を抜かない。
それは翼にとっても魅力的で、誇りに思える部分だった。

紗菜(少し照れながら)
「ねぇ、翼。これからも、ずっと私と一緒に勝負してくれる?」

翼(微笑んで)
「もちろん。俺はお前が負けず嫌いで、本気で挑むところが好きだし、それが一番大切なことだと思うから」

二人は手を繋ぎながら、これからも続く日々を楽しみにしていた。
どんな勝負も、どんな困難も、二人ならきっと乗り越えていける。
その確信を持ちながら、二人の未来は、また新たに始まるのだった。