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家に上がって、車で移動して、カニを食べて…‥


私は家族と一言も話さなかった。


家族はみんな、お兄の話ばかり。

お兄は、うちの家族で唯一の男ってこともあって、おばあちゃんの焼き肉屋を継いだ。

それで、半年前に店を広げるために、大阪に二号店を出した。

だから、お兄の仕事の話ばかり。


私の事なんて、どうでもいいんでしょ?


私が一年、家に居ようが居まいが知らん顔なんでしょ?


平等に可愛がれないなら、私なんて生まなきゃ良かったのに!


私の事、必要としてる人なんていないもん。

私がどうなろうと、みんな知らん顔で
まるで私なんて居なかったみたいに
普通に過ごしていくんでしょ?



翔平だってそう…


私の事、好きじゃないなら優しくしないでほしかった。


生まれて来なきゃ、翔平と出会う事もなかったのに。