―――…
――――………
「なあって!!」
“トンッ”
「―!? えっ何…」
私はピンクのファイルを片手に
駅前の柱にもたれかかっていた。
「君、大丈夫?
さっきからずっと話し掛けてんのに……」
「えっ?嘘っ!」
私は慌てて辺りを見回した。
「――プッ」
「君、面白いね!」
「はあ!?誰よあんた!」
「俺はね〜翔平〜!君は?」
黒いスーツ姿に
金色の長いサラサラの髪をした
男が笑いながら言う。
「てかさ、淋しいなら
今から俺について来いよ!」
翔平に腕を掴まれた。
「――ちょっ…離」
「離せよ!」
誰かの手が翔平の腕を掴んだ。
その手を目で辿っていくと
部屋着のままの隼士が立っていた。
「―――痛っ!誰だよあんた!」
翔平が私の腕を離して
隼士を睨みつけた。
隼士は翔平に冷ややかな視線を送ると
私の腕をひっぱって歩きだした。
振り返ると翔平が不思議そうに私を見ていた。