プルルルルル―――‥‥


『ふあい?』


「あけおめー!結衣寝てたの?!」


私は家に着いて、翔平が寝てから結衣に電話した。


『あけおめ‥…。寝てるよ。まだ5時だよ。』


「あのさ、今から家行っていい?」


『ん?何時頃に着く?』


「7時ぐらいかな!」


『いーよー。7時だったら、お母さん起きてると思うし、勝手に上がってきて。』



―――――‥‥…


「あけおめー!」


「あけおめー。」


私は、本当に勝手に結衣の部屋に上がり込んでいた。



「何よ、新年早々。」


スッピンの結衣は、大阪にいた時とはまるで別人だった。



「あのね、結衣と憂夜ってどうなってんの?」


突然の質問に、結衣は少しビックリしていた。


「どうって…。
別に、電話かかってくるけど無視してるよ。」


「付き合ってはないんだよね?
何で本気じゃないって思ったの?」


「え…。だってそんなの普通、
失恋で弱った若い女の子を客にしようと思ったら、
色恋ってやつが手っ取り早いんじゃないの?」



「……………。」



失恋で弱った若い女の子………。



「何でそんな事聞くのよ。」



私は、結衣に少しずつ翔平の事を話した。



結衣は、黙って聞いてくれていた。




「………そうか。
杏菜の好きな人、ホストだったんだ。
でも、お店行った事ないんだよね?」


私はしっかり頷いた。


「杏菜は……好きなんだよね?
ホストでも………。」


私は二回、しっかりと頷いた。


「じゃあ、信じるしかないでしょ。
営業なのか、本気なのかは本人にしか分からないもん。」


結衣はそう言うと、私の肩を掴んだ。


「でもね、水商売とか風俗とかで働いてって言われたら、すぐ言って来て。」


「…………分かった。」


―――――――‥‥‥……