東京に着いたのは夜だった。




新幹線の中、途中で目を覚ました結衣は


「杏菜、ありがとう。私、自分の夢見失ってたよ。


寛貴と出会って、寛貴中心の生活をしてた。



だけど、今日思い出したよ。


自分の夢。小さい頃から言ってた夢。



これがあれば、私、これから先も生きて行ける気がする。」





人一倍プライドの高い結衣は、今日も高いヒールで東京の街に消えて行った。






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「タクシー乗らないと。」



タクシー乗り場へ行こうとした時、携帯が鳴った。




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