…………チュン チュン





「…‥―――う〜ん…‥。」



「おはよ。」


朝の眩しい日差しが薄いカーテンを破って私達を照らす。


そのオレンジ色は何よりも明るく、温かい。




「あれ……。え?今何時?!」



「8時だよ。」


「え?!マジ?!うそー。あたし、寝ちゃったの…‥。」




そのオレンジ色は少し薄暗い雲までは破れずに、少し影を落とした。


「超爆睡だったよ。」


少し微笑んだ私の頭の中は、ぐちゃぐちゃだった。





「………ゴメン。」


「え?いいよ〜。私も少し寝てたし。」



「ねえ杏菜、抹茶パフェ食べたいんだけど。」




――――‥…


―――――――‥………




「よいしょっ。」


私達は病院の裏庭のベンチに座った。


「あと、2時間のガマンだね。抹茶パフェ。」


私は携帯の時計を見て笑いながら言った。






「……‥ホントはね、分かってるんだよ。


寛貴とはもう会えないって事。



でも、分からない事があるんだ。




寛貴みたいなパーフェクトな人が、どうして?


あの人はね、私だけじゃなく、本当にたくさんの人たちから必要とされてたんだよ。


許せないよ‥…。」




結衣の目には涙が溜まっていて、今にも溢れそうになっていた。