あれから私は結衣を尾行した。
すると結衣は
ホストクラブの中に消えた。


私は無我夢中で飛びこんだ。



騒がしい店内に
女と間違えるくらいの
綺麗な男と笑って酒を飲む
結衣がいた。


私は隣にいる
髪型だけ翔平に似てる男の話を
聞いてるフリをして
結衣を見張った。


「なあー何で目え合わしてくれへんの?」

「…ねえ、あの人カッコイイね〜!」


私は結衣の隣の男を指差して言った。


「ああ。荒木憂夜?
うちのNo.2やで。
ほんで、あっちが
No.1の一条誠位!」


「…で、あんたは?」


「俺え〜?俺は生田成斗!
さっき言うたやん、もう忘れたん?」


「あの二人、付き合ってんの?」

「話コロコロ変えんな〜。
憂夜が彼女作るわけないやろ。
あれは色や。」



そう聞いた瞬間
私は立ち上がって結衣のもとへ
駆け寄った。





「結衣!!」



「…‥。」


結衣は私を一瞬見上げると
泣きそうな顔になって
また下を向いた。



私は結衣の腕を掴んで

「なにやってんのよ!
こんなことしたって
寛貴君に幻滅されるだけだよ!」

と思わず怒鳴ってしまった。



――パシャッ‥…




「――え‥…。」



結衣は持ってたお酒を
私の顔に吹っかけた。



「――‥…しょうがないじゃない。
寛貴‥…会ってくれないんだもん。
病院中捜してもいないんだもん…‥」



結衣の目は涙でいっぱいだった。




―――――…‥