―――――…‥



「すっげー!ぐちゃぐちゃ!!」


私が初めて作った料理なのに
翔平は笑顔でけなす。



「しょーがないじゃん!
初めて作ったんだから…。」


「えっ?前の彼氏と住んでた時は?」


翔平はスプーンを持って
目を丸くして聞いてきた。


「隼士は‥…料理上手かったから。」


「そうなんだ!
じゃ、いただきます!!」


私も翔平とほぼ同時に
オムライスを食べた。


「うっ‥……まず‥…。」


自分で作っておきながら
想像を超えた味に
思わず口を手で覆った。


「まずいね…ゴメン‥…。」


恐る恐る翔平を見ると
翔平はニコっと笑って

「かなりまずいな!」


と言った。


私はちょっとへこんで
オムライスを見つめていた。




「―――ごちそうさま!」



「えっ…?」



お皿のオムライスは
綺麗になくなっていた。



「えっ…早っ!」


私がビックリしていると
翔平は本当に可愛い笑顔で


「食わねーんだったら
俺が食べてやるよ!」


と言って、
私の分のオムライスを食べだした。



「えっ?!まずくないの?」


驚いて聞く私に


「ん?まずい。」


と、翔平は答えた。





私…‥何もいらない。


この幸せが、ずっと続いてほしい。


ただ、翔平の傍にいさせてほしい…‥。