――チュンチュン…



「ぅ‥…もうこんな時間‥。」



もう朝の5時だ。



――カチャ



やばっっ!!



「あっ、おかえりっ!」


私は玄関に駆け寄った。


「おう、お前起きてたんだ。」



翔平が部屋のテーブルを見た。


「ん…‥?なにこれ…」



私は街で買った
クリスマスケーキと、
頑張って作ったけど
ぐちゃぐちゃになったオムライスを
テーブルに置いていた。



「‥…今日、クリスマスイヴだから‥。」


私は俯き加減に翔平を見た。


「これ…‥。」


翔平は部屋の隅を見ていた。


そこには、雑貨屋で買った
小さなクリスマスツリーがあった。


「それも…‥買ってきたの。」



翔平は無言でツリーを見つめている。



「ゴメン…‥。
余計なことして…‥。」


翔平は何も言わない。


私は悲しくなってきて
下を向いた。




「―――‥あり‥…
ありがと…。」


見上げると翔平の綺麗な瞳には
今にも溢れ出しそうなほど
涙が溜まっていた。



「えっ‥…!
なに、翔平…‥どしたの…!」


私は慌てて背の高い翔平の
肩に手をあてた。


「俺‥…嬉しいよ‥…。」


そう言って翔平は私をギュッと抱きしめた。