――――――…‥


「アンナちゃん
そろそろ撮影してるかと
思って来たんだけど…‥
まだだった?」


一条さんが私を見て微笑む。



「代表!俺、こんなこと
聞いてないです!
勝手に何してんすか!?」


翔平は私の腕を掴みながら
一条さんを睨んだ。



「勝手じゃないよ。
アンナちゃんが決めた事だよ?
SHO、ちょっと落ち着こうか。」


「――落ち着いてられっかよ!!
アンナをどうする気だったんだよ!」



一条さんは表情ひとつ変えない。



「…‥この子、
ただの友達でしょ?
なんでそんな怒ってんの。
SHOらしくない。」



冷たく笑う一条さんに
翔平は言い返さない。


ただ怒りに満ちた目で
一条さんを睨む。



「一条さんはね、
あの部屋の家賃のこと
私に教えてくれたんだよ。
だから家賃を払うための
仕事を私に紹介してくれたの!
だから一条さんは
悪くないの!」


私は翔平の服の袖を引っ張った。



「……‥はあ?
俺払ってんだろ!!
1日5万、渡してるよな!?」



―――え…‥?
翔平…だから私に
何も言わなかったの‥…?



「‥……あ〜あ。
ばれちゃったかあ。
でも、SHOも悪いから。
ウチ、恋愛禁止だよ?
掟破ってもらっちゃ困るんだ。」


一条さんは悪びれる様子もない。


「一条さん‥…
私の事、騙してたんですか…?」


「‥…ごめんね?
ウチの商品に手出さないで。」