――――‥…


「ちょっと痛いってば!」


私は少し怒ったように
翔平の手を振りほどいた。

翔平に握られた私の手は
赤くなっていた。



「…‥アンナ、
なんでこんな所に来たんだよ。
代表から何言われたか
知らねーけど、
俺はアンナにAVなんか
出てほしくねんだよ!」



「…‥はあ?AVってなに?
私はモデルの仕事もらったの。
なんか変だと思ったら
勘違いしてたの?
余計な事しないでよ!」



翔平はビルに戻ろうとする
私を必死に引き止める。



「勘違いしてんのは
アンナのほうだろ!!」



「だいたい!
あんたのせいで
お金が必要なのよ!
ほっといてよ!」



「ちょっ、なんでお金?
ちゃんと説明しろよ!」



――――‥…

「あれ‥…」



「‥…一条さん…」



そこには一条さんが立っていた。