「‥…どうも、一条誠と言います。」



――私が覗いた時
翔平と話していた
あのホストだ‥…!



私に一条さんは微笑んだ。


「突然ごめんね。
君と話したいんだけど‥」


少し翔平と似ている一条さんに
見とれながらも
さっきの光景が頭から
離れなかった‥…



―――――‥



「‥…あの、私に何か‥」



「ああ、ごめんね!
単刀直入に言うとさ、
そろそろ、
君の泊まってる部屋の代金
支払ってもらえないかな。」



「えっ!すみません!
私何にも知らなくて…‥
いくらですか!?」



「――…‥20万。」



「…‥‥‥!?」



一条さんの顔を見つめながら
頭の中を整理しようとした。


「…‥ちょっと待って下さい?」


意味が分からなかった。


確か――‥
翔平は代表から借りたって…‥

お金の事なんて聞いてない…


「――‥もしかして
SHOから何も聞いてないの?」


私は静かに頷いた。


「はあ。またか…‥」


「…‥あの、またかって…?」


一条さんは気難しそうに答えた。


「実はね、前にも
こんな事があったんだ‥…

SHOがお客さんに
部屋を貸してね。

そん時、俺、待ってたんだけど

2ヶ月経っても
お金の振込みがなかったから
彼女に尋ねたら、
何も聞いてなかったらしくて…

その時にはもう
部屋代300万越えてて…


でも、俺が紹介した
ビジネスですぐ返してくれたけどね。

君、大丈夫?」



一条さんの話に
私は気を失いかけた。

泣きそうな私に
一条さんは優しく微笑んで


「大丈夫だよ。
お金ないなら待つし、
仕事ないなら紹介するよ?」


一条さんの優しさは
私の心を少しなだめてくれた。




―――――…‥


私、翔平に騙されてたんだ…