あ‥…あの公園かな‥…


私は公園に向かおうと方向転換した。

――――――…‥



どうして私、初めて
翔平に手を引っぱられた時
抵抗しなかったんだろ…‥


あの時はまだ、
隼士の事で悩んでいたはずなのに…‥





そうか…‥

きっともう、あの時には
期待してたんだ…‥


翔平が


私の王子様だって…‥…



―――――――‥…



心当たりのない私は1時間くらい
歩き回って翔平を捜していた。



「―――‥…!」


冷たい風になびく
金色の髪に私の目は奪われた。

綺麗な女の人と歩いている―‥




2人は、ラブホテルに
入ろうとしていた――‥。





―――――‥


「…‥‥アンナ?」



気がつくと私は息を切らせて
翔平の腕を掴んでいた。



「…翔…‥平‥‥」



やっと…愛しい人を見つけた―…

私は泣きつきたい気持ちになった。



「ちょっと!?
なんなのあんた!!」



いかにも高そうな
ベージュのファーコートを着た
きつい印象の女に睨まれた。



言い返してやろうと思った時
翔平に止められた。


「仕事だから…‥」


翔平はいつもと違う目で
私を見た。




そして「行こう」と
女をリードして
中に入って行った。




私は翔平を何度も呼んだ。


その度に女は勝ち誇ったかのような
顔をしていたけど、


そんなの関係なかった―…‥




――――――…‥



どうやってここまで来たのか



分からない―…




気がつくと私は

駅前の柱にもたれかかっていた。





―――――‥


下を向いていた私の目に


翔平の靴とと同じ靴が飛び込んできた。



私はパッと顔を上げた。



―――――‥…