―――――…‥



「綺麗〜!」



高級そうな40階建の
マンションの最上階の部屋に
二人は入った。



窓からは
この都会ならではの
素晴らしい夜景が見えた。




「やっと機嫌直った〜。」



翔平がため息交じりに言って
真っ白なソファーに腰掛けた。




タバコに火をつけた翔平を
じっと見つめて


私は勇気を振り絞った。



「――‥ねえ。」



「……‥ん?」


翔平の綺麗な瞳が私を写す。



「翔平って何歳なの!?」


「―…はあ?」


「教えてよ!
趣味は!?特技は?血液型は!?
あっ、誕生日は!?」


私は必死に問い掛けた。


「――プッ…
アンナはやっぱバカだなあ!」


翔平は笑うと
吸いはじめたばっかりのタバコを
灰皿で揉み消した。



「…‥真面目な話なのに…」


翔平は笑ってふくれる私の頭を撫でた。




「俺は20歳だよ。」


「―っ!若っ!
私の1こ上じゃんっ!」


変にテンションの上がっている私を
なだめるかのように
翔平が優しく笑う。



「…‥もう寝な。」


翔平は私の頭をポンと叩いて言った。


確かに、時計の針はもう
午前3時を指していた。



「…‥ここまできたらオールだよ。
付き合って!」



まだまだ聞きたい事が
いっぱいあった。

翔平と離れたくもなかった。


「俺は明日も仕事だから。
また明日な。」


翔平はゆっくり立ち上がり、
そっと部屋を出て行った。