授業を終えた私は
1ヶ月ぶりのバイトへ向かった。



――――…‥


「おはようございます!」



裏口の扉から元気よく叫んだ。





店長が店からこっちへ来て
重い口を開いた。




「…‥あのさ、
悪いけど、もう来なくていいから」




「――え?」




店長は面倒そうに


「アンナのさ、
ウチの商品に対する
愛情には感心するし、
もしかしたら俺より
ウチのブランドの事
愛してるかもしれない。
だけどな、
人に対しても
その愛情を持てる人間じゃなきゃ
ウチのブランドのスタッフとして
認められない。
お客様、職場仲間…
それに…恋人に対してもだ。」




―――耳を塞ぎたくなった。



私がどれだけ
ここのブランドを愛してたか
あいつは一番よく知ってた。



隼士はウチのお得意さんだ。


店長に何かふきこんだのだろう。



私は猛烈な怒りを抑え、
店を出て電車に乗り込んだ。






―――絶対に許さない。



こんな卑怯な事して

どれだけ私を苦しめるのよ!


大学生になって
初めてしたバイト。


昔から、家族みんなが好きで
このブランドに対する愛情は
誰にも負けない自信があった。


1年近く頑張ってきた
憧れの店のスタッフ。

私は店に立っているだけで
幸せだったのに―…



私の怒りは


どんどん大きくなっていた。