――――ガタンガタン―‥‥




電車を降りて改札を出ると


明るい髪を綺麗にカールさせた
結衣が走り寄ってきた。




「アンナ!!!」


息を切らした結衣に


「‥どうしたの?」


と冷静に問う。




「どこ行ったのか心配したよ!
良かったあ。帰ってきて。」


結衣の笑顔に私は安心しきって
泣いてしまった。



「――…えっ!?
なんかあったの?!
どうしたのよアンナー!」



私には首を振る事しかできなかった。






―――――…‥


「アンナ!」




――――‥


「アンナ!!」




「――ぅうー‥」




昨日の不思議な出来事が
まるで全て嘘だったかのように
明るい光が私を包む。

目を開けるには眩しすぎた。





「アンナ、今日から
学校行くんでしょー!
早くしなよ!
私も午前中授業だから
一緒に行こう!」


「ぁあー。そぅらった。」







自然と落ちてくる瞼をこすり、

思いきり、外の空気を吸い込んだ。



「私、授業全然わかんないよ〜。
どうしよう!」



「大丈夫だよー。
てか、今日のアンナ可愛い!」


ストレートなサラサラの長い髪を
風になびかせて歩く結衣。


私の目には
なぜか元気がないように映った。



「顔も元通りだしね!」



明るく笑う私に
結衣は安心したかのように笑った。




日を追うごとに
隼士の存在は私の体の傷と共に
薄れていた。