―――“ガチャッ”…


仕事を終えて
部屋に着いた隼士は
以前の隼士と比べものにならない位
やつれ、疲れきった顔をしていた。





仕事もろくに手につかない。


俺、女がいないと
こんなにできない奴だったか?




自分で自分が情けない……







――…「なんだこれ」




自己嫌悪に陥る隼士の目が


リビングのテーブルの上にある
一通の手紙を見つめた。



―――――…



隼士は手紙を読むと
すぐさま走り出した。







…‥


【 隼士へ。


私達が出会って20ヶ月が過ぎたね。


隼士との出会いを私は
これから先も大切に生きていきたい。


20ヶ月前、

隼士が私のバイト先に
服を買いに来てくれた時、
私が一目惚れしちゃって。


隼士が連絡先をくれた時
すごく嬉しかったよ。


それから何度もデートして
私達は付き合ったよね。


18ヶ月前の私達は不器用すぎて…


隼士が本当に私の事好きか
毎日不安で仕方なかった。

隼士も就活とかで忙しかったのに
あの時はごめんね。


そして半年前、隼士の就職先と
一人暮らしするマンションが決まって
その後すぐに私の誕生日があって、


その時くれたプレゼント。


隼士の部屋の鍵。

今まで生きてきた中で
一番嬉しいプレゼントだった。



ありがとう。



だけど、もう いりません。




半年前から徐々に始まった

あなたからの暴力に

私は堪えていくつもりでした。


私が我慢していれば

きっと隼士もいつか

やめてくれるんじゃないかって。


だけど最近ではもう

毎日あなたに怯えていた。


私の気持ち、
どうかわかって。


もう私には
あなたとやってく自信はありません。




アンナ 】