「アンナ!!!」





――――……





隼士の動きがピタッと止まった。






冷たい風が吹き付ける。






私はゆっくり顔を上げた。






「――…何してるの!!?」







声の主は結衣だった。




隣には寛貴君。









隼士は二人に微笑みかけた。








「こんばんは。
……いつから、そこに?」



「こんばんはって……!
あんた今何してたのよ!」




バタバタと結衣が駆け寄って来た。




結衣は隼士を突き飛ばすと
私の体をそっと起こした。




「……大丈夫?」




――…言葉が出ない。


頬に冷たい物が伝う。







隼士はゆっくりと立ち上がり
結衣を見下ろした。




「……ったく。
勝手に入ってきて
人のこと突き飛ばして…
いくらアンナの友達でも
少し頭にくるなあ。」





隼士の視線を遮るように
寛貴君は立った。




「……突然すみません。
ですが、今の状況を見て
結衣も動揺してまして。
どうしてこんな事したのか
聞かせてもらえますか。」




寛貴君に隼士は冷たく微笑む。




「……君達には関係ないよ。
これは俺とアンナの問題なんだ。
出て行ってもらえるかな?」




「私達が出てったら、
またアンナの事殴るんでしょ!?
いくらアンナの彼氏でも、
こんな事するなんて許せない!!」



結衣の声が部屋中に響く。






友達がこんなに必死に



自分の事、守ろうとしてくれてる






それなのに




私………




何してんだろ…