それらの視線から、半ば逃げるようにセシルは壇上を後にする。



あとは教官が指揮をとり、毎回変わらぬ理(ことわり)の詠唱。



興味のないセシルはいつもボーっと教官の後ろにある、輝く噴水をただ見つめていた。



どこからともなく溢れ出してくる水は、セシルのやるせない思いのようでもあったから。


ただ、それだけで。


今日もただ見つめるだけだった。