「う…ん…。」

重たい瞼を擦りながら、奈美は目を覚ました。

あ…れ…?

確か、紗英達と一緒に遊園地に行く途中だと思ったんだけど…夢…??


真っ暗…

まだ夜…?

目が暗闇に慣れてきて、奈美はここが、自宅の自室じゃない事に気付いた。

「え!?」

驚いて起き上がった。

「何…?これ…?」

回りには紗英、武彦、要、それにさっきまでバスに乗っていた乗客が転がっていた。


「どういう…事…?」


奈美は紗英の体を揺すった。

「紗英!
ねえ、起きて!!」
「何よぉ…」

紗英が目を覚ましたのを確認して、武彦、そして要を起こした。


「ね…奈美…どういう事…?」

紗英がまだ覚めきってない声で奈美に言う。

「私も…分かんないよ…。」


「…んだよ、ここ…。」

「要…私怖い…。」
紗英が不安げに要に寄り添う。

「奈美ちゃん、大丈夫か?」

武彦が奈美を抱き寄せながら言う。

「う…うん…」


普段の奈美なら、真っ赤になるとこだが、今はそんな余裕もなかった。