「や~だ、要君たら~。」
出発して10分。
紗英と要は楽しそうに会話を弾ませていたが、奈美と武彦は会話が少なかった。
何か話さなきゃと話題を探せば探すほど、奈美は話せなくなってしまっていた。
奈美は気を紛らわすかのように、ぐるりと車内を見渡してみた。
乗客はそんなに多くはなかった。
一番後ろの、4列並んだ席には、自分達と歳が同じくらいのカップルが、必要以上にくっついて座っていた。
通路を挟んで、一人がけの席の真ん中あたりの席には、OL風の女性。うとうととしている。
一人がけの、前から2番目の席にはスーツ姿の男性。
30歳くらいだろうか。神経質そうな眼鏡をかけ、小さな手帳をパラパラとめくっている。
奈美と武彦の一つ前の席には、ダボダボの服を着て、大きなヘッドフォンをつけた若者が一人で座っていた。
音楽にのっているのか、時々体を揺らしている。
乗客は、自分達4人を含めて9人だった。
出発して10分。
紗英と要は楽しそうに会話を弾ませていたが、奈美と武彦は会話が少なかった。
何か話さなきゃと話題を探せば探すほど、奈美は話せなくなってしまっていた。
奈美は気を紛らわすかのように、ぐるりと車内を見渡してみた。
乗客はそんなに多くはなかった。
一番後ろの、4列並んだ席には、自分達と歳が同じくらいのカップルが、必要以上にくっついて座っていた。
通路を挟んで、一人がけの席の真ん中あたりの席には、OL風の女性。うとうととしている。
一人がけの、前から2番目の席にはスーツ姿の男性。
30歳くらいだろうか。神経質そうな眼鏡をかけ、小さな手帳をパラパラとめくっている。
奈美と武彦の一つ前の席には、ダボダボの服を着て、大きなヘッドフォンをつけた若者が一人で座っていた。
音楽にのっているのか、時々体を揺らしている。
乗客は、自分達4人を含めて9人だった。