「ちょっ…、どこよここ…。」

「何なんですか?」
「どういう事だよ。」

「京ちゃん、どうしよう…」

「大丈夫だ。美羽。」

他の乗客も全員目を覚ました。

みんな訳がわからないと言うように、口々に何か言っている。



…その時!


真っ暗だった室内が急に明るくなった。

急に明るくなった事で、目が慣れてなくて、やたら眩しい。
奈美は顔をしかめて目をしばたいた。
みんな同じだった。

目が慣れると、みんなぐるりと室内を見渡した。


広さは10畳くらいだろうか…。


窓一つ無い部屋。

それぞれの壁に扉。
計4つの鉄の扉があった。


そして、その部屋には、学校の教室に必ず付いているようなスピーカーが一つ、ついていた。