近くのベンチに座り、本も開く。
何分くらい経っただろう。
また携帯のバイブが鳴る。


 -メール受信:沙智

件名:無題
ほんとごめん!
太一くんからメール来て、これから遊ぼうって…朋子もどうかな?




…いくわけないじゃん、もう。
沙智らしいな、と思いながら
まだ結城先生の夢を引きずっていて、
怒りが込み上げてきた。




どうしてわたしばっかり。

こんなに振り回されるの?


どうして…!



沙智に断りのメールを打ってその場を立とうとすると、突然肩を叩かれた。




「朋ちゃん?」