「じゃあそっちは関係ないね……。

カナ爺、何で若者がいないって教えてくれなかったのさ?」


カナ爺は、鉄治さんが話している間勝手にお茶を入れ、勝手にお菓子を出して食べていた。

本当は仲がいいのかもしれない。


「お前さん行くと言ったら聞かんじゃろ。

一応釘差したのに意味なかったのぅ」


「確かに。

一応聞いておくけれど、カナ爺は鈴香さんの彼氏じゃないんだよね?」


カナ爺は本当に嫌そうな顔をして言った。


「当たり前じゃろ。

あんな年増誰が好き好んで……」


「年増?

鈴香さんいくつなの?」


「ああ見えて367じゃぞ。

狐は狸より長生きじゃからって、100以上も年上のヤツは好きになれんわ」


モノノケの奥深さを見た気がした。