「じゃあ、鉄治さん、カナ爺……じゃなかった。

なんて呼んだらいいんだろ?

金文さん?」


カナ爺の方を見る。

金文さんというのもなかなか違和感がある。


「カナ爺でええ。

お前さんからしたら爺と呼ばれてもいいくらい年取っとるからな」


「じゃあ、カナ爺ね。

カナ爺以外で、子供が作れる年の男性連れてきてもらえます?」


「おらんよ」


鉄治さんはあっさりと答えた。


「おらんって……他の狸族は何歳ぐらいなんですか?」


「500~800歳くらいじゃ」


「ヒトの年齢に直せば50~80歳くらいじゃな」


カナ爺が鉄治さんのフォローをする。

そうか、ヒトの10倍ぐらいの年なんだな。