「みんなカラス族?」


「そうそう。

森の番人にはカラス族しかいないからなー」


「で、何で私が物好きなの?」


「ん?」


明星は、何の話だっけ、と視線をさまよわせる。

視線と一緒に箸もゆらゆらしている。


「あーそうだ。

ヒトのくせにモノノケの世界の話に首つっこんでさ。

ま、紫乃も若い頃はよくうちに乗り込んで来てたけどな。

『あの子が罪人だなんて納得できませーん!!』とか言ってな」


明星はキヒヒッと思い出し笑いをした。


「うちのばあちゃんがそんなことするわけないでしょ。

私を怒ったことすらないんだから」


「今は丸くなったからなぁ。

俺なんか何度追い掛け回されたことか」


明星、しみじみしている。

ばあちゃんの若い頃を知ってるなんて、コイツ何歳なんだ。