「それから、次の鬼の子が生まれると牢屋にいる鬼の子はカラスの族長に殺されてしまいます。

そうして、空いた牢屋に次の鬼の子が入り、前の鬼の子の両親は解放されます。

罪を償った、ということで。

いずれ鬼の子を殺さなければならない為、または、他の罪人を捕らえるときに邪魔にならないようにカラスの族長には『約束』が効きません」


秀の手に力が入る。

水穂さんが満足げに目を細め、笑った。


「いいね。

そこまでちゃんとわかってたんだ」


さらに何か言おうとする水穂さんをさえぎって、私は言葉を続けた。


「あと、これは推測ですが、一番最初の『鬼の子』は鬼と他のモノノケとの間に生まれた子だったのではないですか?」


水穂さんが感心したように声を上げる。


「どうしてそう思ったの?」