「じゃあ……私は聞くことも聞いちゃったんでそろそろお暇しようと思うんですけど。

カナ爺どうすんの?」


「わしも戻るぞ。

ここにおってもやることはないしの」


カナ爺は今すぐに帰りたい、という風にそそくさと立ち上がる。

鉄治さんはなんじゃ、ゆっくりしていかんのか?と明らかに面白がっている声色で言う。

この2人、一体どういう関係なのだ。


「あの、鉄治さんとカナ爺ってどういう関係なんですか?」


鉄治さんはニヤッと笑った。


「そいつはワシの孫で、弟子じゃ。

昔ワシに恥ずかしーい負け方をしたからってまだ恨んどるんじゃ。

まったく、まだまだ子供じゃのぅ」