「何?可愛そう??」


『あ…いや……』


そう言う貴方の目は
凛としてて


「最初に付き合ってたのは私よ、薫が愛してるのは私だから平気なの。」

だけど、

どこか寂しげで…



『他の女と結婚したのにですか?!』


なんて言ってしまった自分に吃驚した…

だけどもっと驚いたのはその大きな目が一瞬揺らいで見えたから…



『…すいません。失礼でしたね。』


「薫は…お父さんの会社を継がなきゃダメだから…何千人もの人の生活を守らなきゃダメだから…政略結婚させられたのよ。本当に愛してくれてるのは私だから…それでいいの。」


はっきりと力強くそう話す貴方だったけど…


『…だったら何でそんな悲しい目をしてるの?』

やっぱりどこか寂しげで


「っ!別に…ぁ…」


……ぽつ…



『雨…』



急に降り注いだ雨は激しさを増すばかりで…


貴方の代わりに泣いているんだと、



本気でそう思ったんだ。