──貴方に伝えたかった、たった一言。

「茜里!早く起きなさい!遅刻するわよ!」

ドアを思いっきり開けてお母さんが言う。

「起きたよ…」

目を擦りながらお母さんに言う。

朝はしんどくてイライラするのに、なんでお母さんはこんな大声を出すのだろう。

「じゃあお母さん仕事言って来るから入学式、遅れないでね」

熱が冷めたのか、部屋を出て行ってすぐに玄関から出た音が聞こえた。

ゆっくり立ち上がり時計を見る。

「しちじよんじゅっぷん?」

ポカンッという効果音が頭でなり響く。

「お…お母さ~ん!!!なんで早く起こしてくれなかったの~~~!!!」

いや…そんな事を言っている場合ではない。

早くしなければ。

制服を急いで着て、髪は…くくらなくていいか!

玄関を飛び出て、学校に急ぐ。

せっかく高校一年生になったのに、これではクラスメイトから’’入学式初っ端から遅刻した奴’’認定されてしまう~。

そんな事を考えながら、学校まで全速力で走った。