──貴方に伝えたかった、たった一言。

六月九日。

太陽がギンギンに光る夏の日に、私はそろそろまずいと思って、私はある行動を起こそうとしていた。

だが…そのためにはまず、彼の情報をまとめなければ…。

授業中に勉強とは別のノートを新しく開き、授業聞いてますよ風の感じを出しながら、天野くんの情報をノートにおこす。

まず、彼はとても無口で口がちょっと悪い、でもそこが良い。

バスケがとてもうまい。

前の体育の時見たとき、とてもうまかった。

部活に入っているわけでもないはずなのにすごくうまい。

そして、桜が好き…。

これが…今分かっている情報。

……え?少なくない?

ノートは一ページすらも埋まらず、半分以上白紙だった。

このままでは非常にまずい…。

このあと…真希に聞いてみよ…。

一度ノートを閉じ、机の中にしまい…。

改めて授業に戻って、問題を解き始めた。