「私、今ね正輝の手も好きな人の手も療法握ってるの。どっちも手を離したくないんだ。優柔不断だよね。2人とも私の大切な人で、2人とも好きだったの。そばにずっと居てほしかったの。」

正輝は無言で私の話を聞いていてくれた。

「でも、それじゃぁダメだって思ったんだ。いつまでも甘えてなんかいられないって。ぢっとかの手を離さなきゃって。ごめんね?」

『そーいうのやめろよ。誤るなって。』

正輝はムリして笑っていてくれた。

作り笑顔ってすぐ分かった。

心が少し痛んだ。


「ごめんね・・・本当にごめん。」

『いや、俺こそごめん。』

「なんで正輝が謝るのよっ!!!」

『え!?なんか空気的にだな。』

「ぷっ、何それぇー」

『自分でも分かんなくなってきたわ。』

2人で笑い合った。

「正輝・・・。」

『ん??』