「あっちー」

俺達は日陰のある校内から追い出され、灼熱の太陽の下をジリジリと干からびたナメクジのように歩く。

「アイス...
アイス!?アイス食いてー!!行くぞ♪」
「パス。食いてーけど、金欠」
「アイスぐらい買えるだろ!?」

そいて着いたワゴン車のアイス屋。

金...

ってか祐樹、味に悩み過ぎじゃね?
定員さんも困ってるよ。

「いちご。苺だっ!」
「おっそーい」
「まーまー。亮は?何すんの?」
「俺ほんとに金ねーもん」
「アイス1つぐらい買える!
お姉ちゃん、苺とバナナ一個ずつ!」
「何でバナナ!?ってか金!!」
「もぅー。ノリ悪いなあ~。」

いや、ノリとかの問題じゃなくて...

そう言い終わる前にアイスができてしまった。

ニッコリ笑ってんなー。

「亮。お金!!」

俺は無言でニッコリ笑い、財布を渡す。
少し考える仕草を見せた祐樹は、まるで初めて見たものかのように俺の財布を覗く。

そして自分の財布からスムーズに2人分の代金を支払う。

「わりーな、祐樹♪」
「何でねーんだよ!!」
「いやー。参考書とか買っちゃってさ」